マンガでコンテンツツーリズム(松本市×「orange」の例)
先日、松本まで遊びにいってきました。
あいにくの雨だったんですけど、今年の12月に映画が公開される「orange」の舞台となった場所を歩いてきましたよ。
作者の高野苺先生は松本市在住らしく、松本城のようなわかりやすいスポットだけでなく、パルコとか図書館とか市内の街並みがふつうに背景として描かれています。
最近ではこういう映画のロケ地や、アニメ・マンガなどの舞台となった場所をめぐることを「コンテンツ・ツーリズム」と呼んだりしています。マンガの背景も写真を参考に描くことが増えてリアルな世界観になってますからね。
(江ノ電の鎌倉高校前駅の踏み切りに外国人観光客が押し寄せてるのも「SLAM DUNKが」のアニメの影響ですし)
観光案内所では観光客向けにこんなパンフレットを配布していました。
左はコミックス1巻です。2種類あるのはこの作品が当初『別冊マーガレット』で連載されていたものの、のちに『月刊アクション』に移籍したため、両社から出てるからです。
中はこんな感じで市内の地図と、コミックスに登場するコマを紹介しています。
ぜんぶまわろうとすると1日がかりになるのですが、おもだったところは松本駅からお城までの間に集まっているので、そのへんをまわってきました。
まずパルコ。じっさいはパルコの裏にある花時計公園です。
1巻の147ページと同じ構図です。樹木をまびいていますね。
こちらは1巻の152ページのコマ。
「開運堂でソフトクリームを食べた」とありますが、道向かいに開運堂という洋菓子店があって、そこにロボットがつくるソフトクリームがあるんです。
こういうローカルなネタをぶっこんでくるのもひとつのリアリティですね。
ほかにも「中町蔵シック館」や、3巻の表紙になってる縄手通りの「幸橋」など。
orange(3) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: 高野苺
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/08/22
- メディア: コミック
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交通標識が反対向いてたり、絵的にちょっとだけ修正してるのがわかりますね。
作品の舞台となった街を歩くというのは楽しいものですね。
登場人物と同じルートを歩き、今回もソフトクリームやたい焼きと作中で彼らが食べたのと同じものを食べてきましたが、作品との距離感がちぢまったような気がします。
こういうのはやっぱり地元で暮らしているからこそ描ける作品だと思うので、いろんな地方を舞台に、そこに在住する漫画家が作品を描いてほしいなあと思いました。
「まんがseek」では出身地(育った場所)、出生地(生まれた場所)、在住地(いま住んでいる場所)をそれぞれ登録できるようにしていますが、その一覧ページも用意しています。
登録されてるデータだけなので(とくに再開後に用意した在住地は)まだまだ不十分ですけど、これから少しずつ充実していくと思います(し、ぜひご存知の情報があれば手伝ってください!)。
あと「orange」をきっかけに高野先生の過去の作品も読んでみたくなったので、短篇集などを買い集めてデータを補完しました。
おかげでWikipediaより充実してます♪
(読み切りなどの短編の場合は、収録されたコミックスの巻末をチェックしないと初出がわかんなかったりするので、けっきょく現物確認になるんですよね)