作品と商品の関係
「まんがseek」は「日本で発表されたすべてのマンガを網羅したデータベース」ですが、そのデータベースの基本構造は「人物」と「作品」と「商品」です。
じっさいには「作品」が掲載された「雑誌」とか、「人物」同士の関係性(夫婦とか師弟など)とかほかにもいろんな情報が入っていますが、今回は中心となる「人物」「作品」「商品」、なかでもわかりにくい「作品」と「商品」について紹介します。
まず前提として「人物」は文字通り漫画家や漫画原作者などのデータなのですが、「まんがseek」では監修者や編集者なども登録しています。「コミックスや雑誌の扉絵などにクレジットされている方すべて」が対象です。
なかには企業名やプロダクションなど人間じゃないケースもありますので、そういう場合は「人間じゃないフラグ」というそのまんまの名称のフラグを立てています。
「人物」には「作品」がぶらさがります。
井上雄彦先生の場合、「井上雄彦」という人物データに対して、「SLAM DUNK」や「バガボンド」といった作品データがひもづくわけですね。
ただしこれはわかりやすいケースで、長期連載の場合はほとんど混乱は起きないのですが、いわゆる短編や読み切り作品の場合は収録されたコミックスのタイトル(=商品名)がその作品名と異なるため、ほんとうは収録作品のひとつひとつを登録したいのにまちがって商品名が登録されることがあります。
ざっくりとですが、作品と商品にはどんな関係があるかをまとめてみました。
具体例で説明します。
さっきも例にあげましたが、井上雄彦先生の「SLAM DUNK」です。これはひとつの作品データが、複数の商品データにひもづいています。
じっさいには「完全版」以外に通常のコミックスや、(「SLAM DUNK」はないけど)Kindle版など複数のレーベルがあって、レーベルごとに商品はグループ化されています。
つぎに1巻だけで連載終了しちゃった作品の場合です。『週刊少年ジャンプ』で10週打ち切りになってしまった作品などが該当します。
この場合は作品名と商品名(コミックスのタイトル)が同じなので、いちばん迷わないし、まちがいが起こらないケースですね。
ややこしいのが短編集です。
短篇集には同一作家によるものと、いわゆるアンソロジーと呼ばれる複数作家によるものがあります。
たとえばこれはあだち充先生の『SHORT GAME』という短篇集のコミックスです。
ここには「同球生」や「ゆく年くる年」、そのほか「名探偵ゴーページ」、「フルカウント」などなど11編の作品が収録されています。
いちばんミスが起きやすいのはこのケースで、まちがって「SHORT GAME」という作品データを登録してしまうことがあります。
たまたま「SHORT GAME」という作品が(この場合、11編のひとつとして)収録されていればいいんですけど、じっさいにはそのタイトルの作品はないのでまちがいとなります。
このケースでは収録作品をすべてバラして、ひとつずつ登録することになります。
もうひとつはアンソロジーの場合です。
これは「天才たちの競演」というコミックスで、『ビッグコミック』の創刊45周年を記念して掲載された作品をまとめたものです。浦沢直樹先生や萩尾望都先生以外にも、能條純一先生、伊藤潤二先生、北見けんいち先生、諸星大二郎先生、原秀則先生といったビッグネームによる作品が掲載されています。
この手のアンソロジーは1冊に複数の作品が収録されていて、そのすべてが別々の漫画家による作品です。
いちばん複雑なケースですけど、上の同一作家の短篇集と比べるとわかりやすいかもしれません。
ちなみに「天才たちの競演」は2巻も出ていて、そちらには水木しげる先生や高橋留美子先生の作品が収録されています。
1巻も2巻もオススメのコミックスです。
とまあこんな感じで、ある「人物」が発表した「作品」が一覧になって、個々の「作品」が収録された「商品」まで網羅されると、どんな作品があって、なにを買えば読めるのかが一目瞭然になります。
今日の時点で
- 人物 12332人
- 作品 38043作
- 商品 103491点
が登録されていますが、まだまだ抜け漏れがありますので、ぜひ応援していただきたいですし、1件でもかまいませんのでデータの登録にご協力いただけるとうれしいです!