まんがseek運営日記

まんがseek運営者のメモというか編集後記。

まんがseek」は世界最大のマンガデータベースをみんなでつくることを目的に立ちあげられたプロジェクトです。すでに1万人をこえる漫画家、3万点をこえる作品がデータベースに登録されています。詳しい案内はこちらをご覧ください。→まんがseekについて

京都でメンバーとミーティング

週末に京都にいってきました。

「まんがseek」を手伝ってくれてるメンバーは全国各地にいるんですけど、今回は名古屋、大阪、京都のメンバーと会ってきました。

ま、主目的はメンバーに名刺を渡すことだったんですけどね。

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ふだんはネット越しでやり取りしていますが、こうして年に数回は直接会って話をしていきたいと思ってますし、とくに新しく参加してくれた方にはなるだけ早いタイミングで会える機会をつくっていこうと思ってます。

ボランティアプロジェクトだからこそ、コミュニケーションの密度は大事にしたいなあと。
(もちろんお金がかかることだから限度はありますけど)

会って話すといいことはたくさんあります。
まず大きいのが「いろんなことをいいやすくなる」という点で、面識がない中では遠慮していえないことが一度でも会ってると「これどうかな?」と口に出せるようになることはよくあることですね。

もうひとつは会話しながらじゃないと説明しづらいことがある、という点です。
ぼくらはふだんサイボウズLiveを使ってやり取りしてるんですけど、文章に書いて要望を伝えたりするのがむずかしいケースがあります。会って話せば5分で伝わることでも、それを掲示板でやろうとするとそもそも伝わらないことって珍しくないです。

そういうときは会って話すにかぎりますね。Skypeとかも今後は導入していこうとは思ってますが、なるだけおぼえなきゃいけないことは少なくしたいので、当面はぼくが出かけていけばいいやと思ってます。

そして三点目が「気持ちを伝えやすい」ということです。
なんていうのかな、「ぼくはあなたのことを信頼しています」みたいなのもそうだし、もっと単純に「わたしはまんがseekをすごくいいと思ってます」みたいな支持の気持ちみたいなのも含め、会って話すことでその意志とか熱量が相手に届きますよね。
ぼくはけっこう単純だから、そうやって相手の気持ちを受け止めるとモチベーションがすごく上がります。じぶんのためにもメンバーとはたくさん会う機会をつくりたいんですよね。

今回も会って話したことでいろいろやることを決めました。

10年前にやってたような投票の仕組みとかは復活させようとか、ペンネームの情報の持たせ方をより美しく直していこうとか、たぶん年内にはいろいろ大小さまざまなリニューアルができると思います。

写真撮るのを忘れてたので、トイレにいったときに撮った京都駅の風景です。

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まんがseekは常にメンバーを募集しているので、古今東西あらゆるマンガを整理することにちょっとでも興味を持たれた方はぜひ参加してください。

名刺をつくって会いにいきますので!

代表作と絶筆(遺作)について修正しました

まんがseekの作品データには「その作者の代表作」であることや「執筆中に亡くなったために絶筆(遺作)」となった作品であることを示すデータがあります。

そのデータの持たせ方を変更しました。
具体的にはこれまでは「作品データ」の一部でオンオフのフラグ情報を持たせていたのですが、それだと複数の作者がいる場合に「誰にとっての代表作」かがわからなかったり、作画者は亡くなったけど原作者は存命中の場合におかしなことになるので、作品データと人物データの関係性を示す「役割データ」に移動させました。

考えてみたらあたり前のことなんだけど、データベースの設計をするときに楽しようとしちゃったんだと思います。

「これはダメだ」と気づいたのは「のび太のねじ巻き都市冒険記」のデータを見ていたときでした。

ご存知のとおり、この作品は藤子・F・不二雄先生の遺作となった作品です。
まんがseekのデータにも「絶筆」であることを示すフラグが立っていたのですが、じっさいにはこの作品はF先生が亡くなったあとの部分を藤子プロの方々が引き継いで描かれています。

こんなふうに最初から原作者と作画者というように複数人がかかわっていなくても、作者が死去することによってアシスタントの方が引き継いで描いたりすることはあるから、その場合に「作品」ではなく「人物」にひもづけておかないとマズいなってことを実感しました。

修正はそれほど大変な作業ではなかったんですけど、データベースの設計はちゃんと考えてやらないとダメだなっていう教訓になりました。

きっとまだ不備はあると思うんですけど(すでに追加したい項目はいくつか候補*1がありますし)、その都度修正していこうと思ってますので、「こういうデータは扱わないの?」ってご意見もぜひお寄せください。

*1:たとえばいまはアニメ化とか映画化された作品かどうかをわかるようなフラグをつくろうと話しています。

シリーズ機能をつくりました

まんがseekに「シリーズ」というページを用意しました。
これは続編やスピンオフなどをひとまとめにするための機能で、その一覧ページになります。

わかりやすいのが「大長編ドラえもん」ですかね。

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ご存知の通り、これは「のび太の恐竜」にはじまり、ひとつひとつ別の作品ではありますが、全体でひとつの「大長編ドラえもんシリーズ」を構成しています。

まんがseekではこれまで個々の作品データは扱ってきましたが、その作品同士の関係性については手付かずだったので、今回ようやく着手することができました。
余談ですけど人物データ同士の関係性はすでにありますので、夫婦とか元アシスタントとかが網羅されつつあります。

この機能を使うことで島耕作シリーズを発表順に並べたり、あるいはキャラクターの年齢順(作品内時系列順)に並べたりすることもできます。
(ま、発表順なら初出年でソートすればわかりますけどね)

なぜこんなのをつくったのかをお話します。

「データベースの編集を手伝ってくれてるメンバーからリクエストがあったので」というのがほんとうの答えなんだけど、その背景としてはマンガにおける「作品」の単位がけっこう曖昧になってきているということもあります。

どういうことか。

ひとつはスピンオフ作品が増えたということがあります。本編の脇役を主役にした作品が発表されるだけじゃなく、4コマなどのパロディ化された作品も増えました。
で、本人が描くこともあれば、元アシスタントの方が描くこともあります。本人が描いてるうちは人物ページに作品を一覧表示できるのでいいんですけど、ほかの人が描くとなればなんらかの方法でひとまとめにしないといけません。
こういうときにシリーズ機能は便利です。

また番外編というか、長期連載の作品において第1部と第2部の休載中の間にサイドストーリーみたいなのが読み切り短編として掲載されたり、すでに最終回を迎えた作品がドラマ化や映画化などを記念して特別読み切りとして掲載されることがあります。
最近だと「ダイヤのA」が第1部終了後、第2部が再開する前に3作の読み切り作品を発表してましたし、「バクマン。」は映画公開にあわせてプロローグになるようなエピソードの読み切りが掲載されてましたね。

こういうデータはやっぱり人間が手作業で入れていかないとなかなか整理されません。
ある作品を好きになった人が、その作者のほかの作品に興味をもつのもいいし、あるいはその作品の世界観を継承した作品群に手を出すのもいいと思うんですよね。
そうやって次に読む作品、さらにその次に読む作品をさがす手がかりになるといいなと思うし、そういうのがぼくらにとっての「実用的なデータベース」なのです。

まだ機能を用意しただけで、スッカスカなので、ぜひ「まんがseek」に参加して、いろんなシリーズデータを整備してもらえるとうれしいです!

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